SL初心者様から以下のメールをいただきましたので、今回の記事は、「私のSL事業者の選び方」にしてみます。
引用
slinvestor様は現在12社に投資されてますが、どのような考えに基いて12社を選ばれたのでしょうか?
ブログの記事にしていただけると参考になります。
事業者選びでSLの勝負が決まることは、ラッキーバンクやみんクレの件を見れば明らかなので、当然のことながら重点を置いています。
担保がどうだの利回りがどうだのというのは、まず事業者をしっかりとスクリーニングしてから考えることで、入り口の事業者選びのスクリーニングが甘ければ、担保も利回りも意味をなさないことはラッキーバンクとみんクレが見事に証明しています。
では、主な具体的なチェックポイントは何かといえば、以下のとおりです。
1 ガバナンス体制やコンプライアンス体制の点で信頼できる上場企業(またはその子会社)か?
2 公認会計士監査を受けているか?
3 詳細な財務情報(経営母体がある場合は、それも含む)を公式WEBサイトに開示しているか?
4 経営成績・財政状態(経営母体がある場合は、それも含む)に問題はないか?
5 株主および株主構成に問題はないか?
6 金融庁検査に対応できる体制が確立されているか?
以上のスクリーニングに基づき事業者のランク付けをし、投資額の配分を予め決定してから、次にそれぞれの案件の担保と利回りを吟味してみるという感じです。
ちなみに、私の事業者別格付けと投資配分予定額は、以下のとおりです。
私の独断と偏見による事業者リスクに基づく勝手格付け
格付け | 事業者(投資予定額:万円) |
AAA | SBISL(700) |
AA | maneo (550)TATERU FUNDING(400) LCレンディング(350)Ownersbook(150) |
A | crowdbank (300)プレリートファンド(150) |
今回のラッキーバンクやみんクレレベルの不正は、上場企業の内部管理体制では、想定しづらいと考えています。
私の知る限りでは、上場企業でポンジ・スキームを行った例は聞いたことがありません。
実際のところ、SL事業者は、玉石混交・ピンきりなので、事業者選びの目利き力で、ほぼ勝負は決まってしまいます。
にもかかわらず、多くの投資家は案件の利回りや担保に目を奪われて、肝心のところをよく見ていないというのが個人的な感想です。
どの事業者も同じように見えるし、案件の中身もよくわからないから、とりあえず利回りの高くて担保がしっかりしてそうなところを選ぼうという感じですかね。そして、そのあたりの投資家心理につけこんで、悪徳事業者が高利回りを餌に巧妙に入り込んでくると。
私は、長年上場企業経理部門に勤務しており、上場企業のコーポレートガバナンス体制やコンプライアンス体制の厳格さを実感しています。また、内数年間は、金融子会社(公認会計士監査および内部統制整備が義務付けられている会社法上の大会社)に出向し、グループファイナンスという形で貸金業務に従事していましたので、内部統制整備や公認会計士監査の重要性や金融庁検査の怖さを実感しています。
ですから、いくら利回りが高くても、コーポレートガンバナンス体制やコンプライアンス体制の甘そうな事業者に大金を投資することは、個人的にありえません。
特に今後の動きとして、今金融庁はラッキーバンクのお粗末な対応や当事者による大量抗議メールで、逆鱗モードに入っているかもしれないので、仮想通貨業界同様、金融庁検査を通じてのSL事業者の淘汰が始まるかもしれないからですね。
トラストレンデイングのお知らせもその対応の一環と見るべきでしょう。(天下り役人を通じて速報が入っているはず)
自分のような凡人には、ババ抜き合戦に連戦連勝するなどという曲芸ができる自信はありません。平凡で面白みのない事業者選びかもしれませんが、上記のチェックポイントを念頭に置いて、高利回りに目が眩まないように自分に言い聞かせながら、中長期的に安定的なリターンを目指して行きたいと思います。
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Thoughts on 私のSL事業者の選び方とは?
says... グリフラ
こんばんは。内容はよく理解できましたが、グリフラに投資されている理由が分かりません。確かに高利回りでかなりのハイリスクが想定されます。またおっしゃられている内部統治は期待できないと思いますが。
says... Re: グリフラ
コメントありがとうございます。
確かに、私がメインに選んでいる7社に比べ、事業者リスクは高いと思います。
ただ、短期案件中心にして出口は常に意識しています。
グリーンインフラレンディングについては、以下の3記事で自分の考えを書いていますので、よろしければ参考にしてください。
・【ラッキーバンク】ラッキーバンクに投資しないで、グリーンインフラレンディングに投資している理由は?
http://slinvestor.jp/blog-entry-68.html
・【グリーンインフラレンディング】業界最速で貸付残高100億円突破か?気になるリスクは?①
http://slinvestor.jp/blog-entry-59.html
・【グリーンインフラレンディング】業界最速で貸付残高100億円突破か?気になるリスクは?②
http://slinvestor.jp/blog-entry-60.html
says...
単純な疑問なのですが、
LCHDなどの上場企業ならば金融機関から当座借越で
ある程度の金額を借りて好きな時期に返済できるのでは
ないかと思いますが、
どうしてわざわざ金利が高く手間も経費もかかるSL会社を作ってまで
集金作業するのかが分かりません。
SBIは尚更そう思います。
says... Re: タイトルなし
コメントありがとうございます。
資金需要が旺盛な不動産業にとって、銀行融資や自己資金投入を補完するためのファイナンスのオプションとして位置付けているのでしょう。
特にリーマンショックのような経済恐慌が起きれば、再び貸し渋りや貸し剥がしに合うかもしれないので、安定的な資金調達という観点からは、銀行だけに頼らず多様な資金調達方法を持つメリットはあると思います。
値動きが激しい株式投資を好まない投資家を、ソーシャルレンディングに誘導する、あるいは、キャピタルゲインとインカムゲインの両方を用意することで、幅広に投資家を囲い込むとか、シナジー効果を狙っているのかなと推測します。
SBI SLの場合は、グループ内貸付ではないので、LCレンディングとは意味合いは違います。
総合金融グループとして、ローリスク・ローリターンを好む人は、銀行預金、ハイリスク・ハイリターンを好む人は株式、ミドルリスク・ミドルリターンを好む人はSLという具合に、顧客を囲い込みたいのかなと思います。
SBI SLもLCレンディングもSL単独で儲ける気はあまりないのでは。
ちなみに、下記のmaneo瀧本社長の2017.8.1のブログも参考になると思います。
http://www.takimotokenji.com/2017/08/
says...
slinvestor様
ご回答有難うございます。
色々と納得できる部分が多く、
大変ためになりました。
本当に有難うございます。
これからも記事の掲載楽しにしております。