■会社法上の大会社に該当するSL事業者はどこか?

先日SBISLの融資残高が200億円を突破したというプレスリリースがありました。

このプレスリリースを聞いてピンときたのが、SBI SLも会社法上の大会社の仲間入りしたんだなということです。

融資残高の源泉は、SL投資家からの匿名組合預り金つまりはSBI SLの負債になるので、会社法上の大会社(資本金5億円以上または負債200億円以上)に該当するということです。

会社法上の大会社になると、会計監査人の設置と内部統制システムの整備が義務付けれられるので、非上場の中小会社に比べ、財務諸表や内部管理体制の信頼性が格段に増します

大会社に対する規律

大会社は資本や負債が多額であることから、投資家保護や債権者保護の観点から計算書類の適正や情報開示に関する規制がある。 また、大会社は顧客や取引業者、従業員等が多数存在し社会への影響が大きいと想定されることから、社会への影響の観点からも、その業務が適正に行われるよう、企業統治及び情報開示に関する規制がある。以下、列挙する。

  公開会社ついては328条1項が、非公開会社については328条2項が、委員会設置会社については327条5項がそれぞれ規定する。
取締役会非設置会社については348条4項、取締役会設置会社については362条5項がそれぞれ規定する。
  ● 損益計算書についての公告義務(440条1項)
wikipediaより抜粋

念のため、SBI SLに問い合わせをして以下のとおり確認しました。

引用
さて、お問い合わせの件につきまして、弊社が
20183月末で、融資残高200億円を超えました、とのご案内を申し上げましたが、本内容で20183月末の決算が確定しました場合は、ご指摘の通り会社法上の大会社に該当し、本年度より各義務(ガバナンスの強化や各情報開示等)を負うこととなります。

弊社は、お客様皆様より、更なる信頼を得られますよう、鋭意努力精進を継続して参りますので、何卒今後ともご愛顧のほど、宜しくお願い申し上げます。


既に貸付残高200億円を突破しているmaneoにも以下のとおり確認しました。

引用
監査法人による監査を受けております。

SBI SLとmaneoについては、個社レベルでも法定監査を実施することから、財務情報としての結果やそこに至る内部統制の仕組み・過程については、相当程度信頼できると判断しています。


■LCレンディング・オーナーズブック・クラウドバンクは会計監査を受けているか?


上場企業子会社であるLCレンディングでは、3月30日付社長ブログで、会計監査について以下のように書かれています。

引用

さて、LCレンディングには年に数回、外部の独立した監査法人による監査が入ります。 監査の種類には業務監査・会計監査・IT監査などがあり、それぞれの視点から契約書類やシステムなどのチェックをすることになっています。 

そして毎期末最終営業日の夕刻には、金庫の現金残高などの実査があります。 ということで、本日も期末恒例の実査を終えたところです。 

監査法人の監査については限られた日数・人員であることからすべてをチェックするというわけにはいきませんが、それでも2年半以上業務を続けているので(あってはならないのですが)これまでにいくつかのミスを指摘されています。 

当然ではありますが致命的にマズいというミスは指摘されていないものの、反省点はそれなりにありました。 

重大なミスを招く前段階で業務フローを修正をするための良い機会にもなりますので、監査法人による監査は来期も継続して行います。

上場企業であるロードキャピタルが直接運営するオーナーズブックは、上場企業として会計監査が義務付けれられている以上聞くまでもないと思います。公式ウェブサイトをみても、ガバナンス体制に力を入れているのがよくわかります。

後、私がメインの一つにしているクラウドバンクがどうか気になっているので、問い合わせたところ、以下のように「任意監査」を受けているということで安心しました。

引用

日本クラウド証券株式会社、クラウドバンク・フィナンシャルサービス株式会社およびクラウドバンク株式会社は、その単体での財務状況について任意に監査法人によるチェックを受けており、クラウドバンク株式会社は連結での財務状況について任意に監査法人によるチェックを受けております。

また、日本クラウド証券株式会社につきましては、別途、証券業務に関するお客様の預り金の分別管理について、監査法人による監査を受けております。

■まとめ

信頼できる事業者選びの基準はいくつかあると思いますが、会計監査を受けているかどうかも大きいと思います。みんなのクレジットやラッキーバンクの行政処分の件も会計監査を受けていれば、あり得ないレベルの内容のものだと思います。

貸金業登録も第二種金融商品取引業登録も「認可制」ではなく、実質的に形式審査で通るレベルなので、信頼性を高めるには外部監査人に監査が必要なのではと思います。

もちろコストはかかりますが、金融庁検査で行政処分されたら、事業者自体の存続が危ぶまれるので、健全な事業者であれば必要コストだと考えるだろうし、それに耐えられない事業者は、仮想通貨業者同様早晩金融庁の手で淘汰される運命になるのではないでしょうか?

ラッキーバンクの件で金融庁がどの程度SL事業者に不信感を持っているかは定かではありませんが、逆鱗に触れているようだと規制が強化され、各事業者ともガバナンス体制やコンプライアンス体制の確立が生き残り上必須になるかもしれないですね。

今後業界の自主規制ルールの影響で、財務諸表の開示が進むと思いますが、そもそもその財務諸表の数字が正しいかをどう担保するのかという問題も出てくると思います。

性悪説に立てば、外部のチェックが入っておらず、ガバナンス体制やコンプライアンス体制の確立されていない事業者は、みんクレのように経営者次第で無法地帯になるリスクは常に内在していると考えます。

こういった観点から、私は多少利回りが低下しようとも、会計監査を受けている会社を中心に、以下のように資金配分をしています。

私の独断と偏見による事業者リスクに基づく勝手格付け
格付け事業者(投資額:万円)
AAASBISL(586)
AAmaneo(446) LCレンディング(350) Ownersbook(110)
Acrowdbank(320)プレリートファンド(60)


また、以前にも引用しましたが、私自身この記事の影響を受けていますので、参考までに、クラウドバンクの会計士インタビューの記事を載せておきます。

引用

あくまでも一般的な意見ですが、高利回りのファンドを提供している企業は、本来的なリスク調査が出来ていない、企業としてのコンプライアンス体制やガバナンス体制等に費用をかけていない可能性が高いのではと思ってしまいますので、その点で業者として長期的に安定的なサービスを提供していくことは難しいのではないかと考えます。

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