みんなのクレジットの決算公告が官報に出たようです。
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え、まさかの黒字決算。これなら無事お金が戻ってくるんじゃないかと期待している人もいらっしゃると思います。

決算書の内容を分析して見ると、流動資産43億円あります。このほとんどが、ブルーウォールジャパンへの貸付金だと思いますが(この中に現預金がたくさんあれば希望が持てるんですけどね・・・)、これって金融庁の指摘では、回収可能性に疑念ありとなってましたよね。それなのに正常債権扱いしたまままでいいの?本当に資産性はあるのかと私は真っ先に疑問を持ちました。

ここが、貸倒れ懸念債権扱いされれば、一転して数十億円の大赤字、大幅な債務超過になりますよね。


それとも、貸付先が破綻しても、ソーシャルレンディングの仕組み上、そのリスクは事業者ではなく投資家にあるため、事業者の決算上は損失計上不要という解釈なのでしょうか?

いずれにしろ、この決算書は信頼に値するかといえば、限りなく怪しい気がします。

というのも、そもそも、みんなのクレジットは、資本金が2億円、負債が約42億円であることから、会社法上の大会社(資本金5億円以上または負債200億円以上)に該当しないため、監査法人の監査は不要です。

監査役監査は受けているはずですが、社長の身内がやっているんでしょうから、監査の独立性には疑を持ちたくなりますよね。

おそらく一応黒字になっているのは、貸金業者の収支構造上変動費のウエイトが少ないため、それなりの資金量があれば手数料収入でほぼ固定費(人件費・システム費用・賃借料など)の大半が回収され、黒字にするのはそう困難ではないからだと推測します。

ラフに見積もって、仮に年平均運用資金額30億円、投資案件手数料3% 従業員10名とすれば、収入9,000万円(30億円×3%)、費用9,000万円(人件費500万円×10名+システム費用+賃借料+役員報酬などのその他固定費4,000万円)ぐらいでなんとなくイメージできそうです。

最近ソーシャルレンディング事業者の中にも決算を開示する会社が増えてきて、それはもちろん好ましいことではあるのですが、どの事業者も資金量が増え、損益分岐点を超えれば、黒字になるのは構造上明らかなので、事業者の決算書の開示自体に大きな価値があるわけではなく、むしろ投資家保護の観点からは、主要な貸付先や親会社の収支に関する情報開示が不可欠です。(みんクレの決算よりブルーウォールジャパンの決算が知りたいですよね)

例えば、事業者が赤字であっても、後ろ盾である親会社がしっかりしていれば、投資家としてのリスクは少ないです。

その点、私の知る限りではクラウドクレジット・LCレンディング・スマートレンドあたりは、情報開示面では一歩リードしてますね。

正直なところ、今の開示レベルでは、大金を事業者に投資するには心もとなく、ぜひ投資家保護の観点に立った法整備の充実を待ちたいところです。


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