特異なSL事業者なので、いろいろな見方があって当然ですし、さまざまな意見が出てきて、議論が活発になることは、SL業界にとっても好ましいことだと思います。
ということで、またコリもせず物議をかもしそうなクラウドクレジットネタを投入してみます。
■推定運用リターンの分布図をどう読むのか?

(※上の図は、お客様の過去の運用実績リターンと今後のキャッシュフローを当社所定の方法で推定したものを合わせた、推定運用リターンの分布図(人数ベース)です。)
この分布図は、クラウドクレジットの公式ブログに記載されているものであり、他の方のブログでもよく引用されているものです。
この分布図を素直に読めば、「実はクラウドクレジットがんばってるじゃん。クラウドクレジットの悪口をいっているブログ(当ブログ含む)や某匿名掲示板はガセネタばかりか」ということになるのでしょうが、果たしてそうなんでしょうか?
あれだけカメルーン案件の延滞や貸倒れがありながら、どうやって9%の利回りを実現できるのか?
腑に落ちない私は、ここに何かトリッキーな仕掛けがないのかいろいろと考えてみました。
そして、ふと思ったのが、「これって円安に伴う為替差益による影響が大きいんじゃない」ということです。
試しに、為替チャートを調べてみたところ、この2016年~2017年で対ドル(上図)で10%程度、対ユーロ(下図)で20%程度円安に振れていますよね。


クラウドクレジットの平均的な運用期間は13ヶ月であり、為替ヘッジなしが主流なので、2016年6月~10月に投資して、2017年7月~2017年11月に満期を迎えると、それぐらい為替差益が出てもおかしくないですよね。
確かに、円安のおかげで、すごい利回りになりましたというような記事をときどき見たことがあります。
■なぜ、為替影響による利回りを区分しないのか?
為替というのは予測不能であり、他力的なものであるので、本来は、為替影響を剥がした「実力」ベースの利回り+為替影響による利回りというふうに区分して投資家に説明すべきではないでしょうか?
企業の決算説明で、円安による収支向上○億円とかよく見ますよね。
実務上算定困難なのでしょうか?
最近クラウドクレジットの経営姿勢に不信感を持っている私は、ここでもいろいろと穿った見方をしたくなります。
円安による為替差益なかりせば、実はカメルーン案件等の影響を受けて低利回りだったので、「神風」を利用して、うまいこと投資家を丸め込んでないかとかね。
これは、あくまで私の仮説のレベルであり、実証するには、事業者からデータを貰って、「当社所定の方法」とやらを教えてもらわなければ不可能です。
実際は、それほど為替影響はなかったのかもしれません。
でも、本当に為替影響が大きかったのであれば、リスク情報として、為替影響分をきちっと開示して投資家に説明する責任があると思います。
特に、クラウドクレジットの予想利回りは、他の事業者とは違い、単なる目安レベルのものなので、実績に基づく為替影響なかりせばの「実力」ベース利回りを、投資家に開示してくれないと的確な投資判断や事業者評価ができないんじゃないですかね。
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Thoughts on 【クラウドクレジット】9%の平均利回りは「実力」ベースなのか?
says...
はじめて書き込みます。
為替で損をする、得をすることは最初から説明されており、
それで投資家が得をしたからって為替影響のおかげ云々いうのは
筋がちがうんじゃないんですか?
たしかに為替変動はクラウドクレジットに神風になったかもしれませんが
逆の事態もあったわけです。
逆の事態のときはslinvestorさんは、クラウドクレジットの運が悪かったので
為替影響を剥がした「実力」ベースの利回りで評価してあげようなんて
かばってあげるのですか?
says... Re: タイトルなし
コメントありがとうございます。
為替差益があるときは、為替影響に触れず、為替差損があるときは、為替の原因にする。
こういう事態を防ぐために、あらかじめ為替損益を区分してもらった方が、投資家サイドにとっては望ましいのではと、私は問題提起しているつもりです。
事業者と投資家の間には、「情報の非対称性」が常にあるので、事業者側は、そのときどきの都合のいいデータを巧みに出して、印象操作することが可能です。
ですから、投資家側は、リテラシーを向上して、情報開示を事業者に求めていかないと、事業者側に操られるリスクがあります。
現に、「9%の平均利回り」という数字が1人歩きして、その内訳に目がいっていない状態に陥ってないでしょうか?
何となく、事業者の思う壺というか術中にハマっているように私は感じます。
みんクレのように痛い目に合わないようにするには、クラウドクレジットに限らず、「情報の非対称性」で優位にたつ事業者からの情報発信については、まず色眼鏡で見るとともに、「ポジショントーク」を意識することが重要だと思います。
says... 「現時点の実力」ではあるでしょう
slinvestor 様
私の考えでは、「利回り9%」というのはこのグラフ時点での実力であるように思えます。
理由は以下の通りです。一部、slinvestor様の記事内容と異なるところもありますが、見解の違いということでご了承下さい。
①2016年~2017年で為替が円安に振れたのは確かで、それが利回りに与える影響は確かにあります。
②ただし、クラウドクレジットでヘッジ無しファンドが主流になったのはここ数ヶ月の事で、以前はむしろヘッジ有ファンドが多かったです。
③ここ半年くらいの間、クラウドクレジットの利率は減少傾向にあります(ヘッジ付きファンドが主流になったのはこれも理由です。ヘッジを無くして見た目の利率を上げようとしたのでしょう)。
従って、このグラフの時はこのくらいの実力があった、と見なしていいのではないかと思います。
1年後、ヘッジ付きファンドが大量に出ていて、しかも全体的な利率が減っている現状で、同じ条件のグラフを重ねてみたら面白そうですが。
あと、外国為替建てファンドを出すのであれば、いっそ第一種金融商品取扱業の登録をして外貨預かりできるようにして欲しいというのが、私の要望です。今のままでは案件終了と同時に為替リスクが固定されてしまい、外貨建てのメリットが片手落ちです。
ちなみにちょっと計算してみましたが、私の2017年クラウドクレジット投資の加重平均利率は8.5%くらいでした。このグラフがそれほど間違っていないと思ったのは、自分自身のデータにも依るところが大きいです。
says... Re: 「現時点の実力」ではあるでしょう
コメントありがとうございます。
クラウドクレジットに投資実績のない私には、実証できないのを承知で仮説を立ててみたのですが、SALLOW様のデータに基づけば、私の仮説は当たってないかもしれないですね。
お手数かけました。
貴重なご意見ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
says...
はじめまして。データないのて利回りについてはコメント控えます。
ただし「フィーリング」って大切だと思います。「違和感」というか、あえていうなら「嫌な予感」しかしないですね。私はそれで、みんなのクレジットにはまったく投資せずにすみました(^_^;)
客観的に判断すると、現状1割が遅延、デフォルトがあります。仮に9%の利回りがあるとして、10万円分をそれぞれ10本に分散投資したとき、1本でもデフォルトすれば元本割れです。リスクとリターンが釣り合っていないかなと個人的には思います。
また最近では2~3%の案件も見られますので利回りは低下傾向です。
担保とってたはずが実際はグリップできていない(カメルーン案件)など、審査体制なも少なからず課題はあるでしょう。
私は当面見送りです( ̄▽ ̄;)
says... Re: タイトルなし
コメントありがとうございます。
私は、クラウドクレジットについては、「派手な広告戦略」「赤字幅拡大」「カメルーン案件等の延滞・貸倒発生」などで「嫌な予感」がしていますので、「警告」「注意喚起」の意味を込めて、何度か記事にしています。
「派手な広告戦略」については、みんなのクレジット同様高額なアフィリエイト報酬を武器に集客を狙う戦略ですし、テレビを使って初心者を取り込もうとする戦略は、今話題のコインチェックを彷彿させます。(ちなみに、コインチェックは昨年12月のCM開始以降10倍程度顧客が増えたそうです)
一方で、「カメルーン案件等の延滞・貸倒発生」でわかるように回収力に問題があるように思います。
私の目からは、回収については、現地業者やサービスサーにほとんど丸投げしているだけのような気がします。
いろいろな言い訳をしていますが、実は、現地業者等にうまいこと言いくるめられているようにも感じます。
テレビ効果で募集額が飛躍的に増えているので、収支はかなり改善するとは思いますが、顧客が満足できるような安定的なリターンが出せるかどうかで、今後の成長性が見えてくると思います。
私も当面見送り予定なので、じっくりと「高みの見物」をしてみるつもりです。
says...
はじめまして。
私はクラウドクレジットで200万運用しています。
いくつかのファンドに分散していますが、半分弱をヘッジカメルーン8号に入れてしまい元本の2割も返ってきていません。
その他のファンドも利益が1年以上出ていないなど現状は酷いものがあります。
不思議なのはこの状況でも資金が入って来ている事です。
メールで問い合わせをしても返信がない場合もあります。
現状クラウドクレジットでの投資は経験者からしてもおすすめはできません。
says... Re: タイトルなし
コメントありがとうございます。
今は、テレビに出るくらいだから大丈夫だろうと思ったSL初心者からの資金が流入しているのだと思います。
クラウドクレジットは、mona様のような痛い目にあっている既存の投資家からは、これ以上資金を呼び込めないので、ターゲットを変えているのではないでしょうか。
公式サイトに赤字決算や貸倒れ・延滞状況等都合の悪い情報は、ほとんど記載しないし、スキームが複雑なので、SL初心者はよく中身がわかってないまま投資していると推測します。
一時的に、顧客・資金を増やすことは容易ですが、実績を残せなければあっという間に顧客も資金も逃げていきます。
お互い事業者選びには十分に注意していきましょう。
says...
slinvestor様
時間が空いた返信となってしまい、申し訳ありません。
>いろいろな言い訳をしていますが、実は、現地業者等にうまいこと言いくるめられているようにも感じます。
多分このご意見は正しいのではないかと思います。
日本と外国、それも(失礼な言い方ですが)法律が正しく機能していないと思われる発展途上国では、契約の重みが全く違います。
それも含めて、クラウドクレジットの案件は「ソーシャルレンディング」ではなく、「途上国相手の投資型クラウドファンディング」なのだと思っています。
この違いはソーシャルレンディングでそれなりの経験を積んだ投資家には理解できるのですが、TVで見て参入した方々には多分理解できなのではないでしょうか。
悪意ある取り方をすれば、クラウドクレジットはその認識の違いを利用しているのではないかと考えています。
これこそが「情報の非対称性」だと思いますので、その注意喚起は当ブログで今後も行うつもりです。もちろん、案件のメリットデメリットは可能な限り客観的に伝えた上で。
(独り言:これでクラウドクレジットからのアフィリエイト提携が解除されたなら、それはそれでブログネタとして楽しそうだと思っている根性悪がここにいます)
says... Re: タイトルなし
コメントありがとうございます。
今コインチェックの件で、「出川組」が悲惨な目にあっていますが、「ガイアの夜明け組」はどうなるんでしょうかねえ。
コインチェックは、セキュリティを軽視して、テレビCMに大金を注ぎ込んで、顧客を取り込んだことでバッシングをうけていますが、クラウドクレジットもテレビ番組という「飛び道具」を使って集客を狙うより先に、まず審査体制の整備や回収力強化に注力すべきだと思うんですけどね。
このままだと償還時にたくさんの「ガイアの夜明け組」からバッシングを受けそうな気がするんですが。
私見では、コインチェック騒動を見ていても、日本人は物作りは優秀ですが、投資リテラシーは残念ながらあまり高くないと思います。
SALLOW様のブログは影響力が大きいので、「ガイアの夜明け組」がSALLOW様のブログにしっかりと目を通して、十分にSLの仕組みとリスクを把握した上で、投資判断することを期待します。