■最近10%超過の高利回り案件が増えてきている?

 
お金を倍々ゲームで増やしていきたい人にとっては、高利回りの案件で勝負し続けるというのも一つの投資スタンスだと思います。

ババを引く前に逃げ切る自信のある人もいるでしょう。

みんクレでも、リスク覚悟で、キャッシュバックキャンペーンを取りにいき、ババを引く前に逃げ切って儲けた人もいるはずです。


ただ一方で、貸倒れリスクも利回りに比例して高まると考えるのが一般的なので、中長期的に見て、ババを引かずに勝ち続けることは、よほどの才能と運がないと難しいようにも感じます。

また、匿名性を悪用して、実名を出せばドン引きするような筋の悪い案件が紛れている可能性も否定できません。

ちなみに、クラウドバンクの会計士へのインタビュー記事では、こんな風に書かれています。

引用

近時の融資型クラウドファンディングの投資案件を見てみますと、高利回りのファンドが散見されます。しかし、そもそもリスクとリターンは表裏一体のものであり、リスクが小さいにもかかわらずリターンが多きいものは一般的には有り得ないと思います例えば、不動産業界では10%以上の利回りのファンドは日本市場では有り得ないと思いますし、日本では100万円を超える融資の上限金利は15%ですのでそこから事業者の審査コストやデューデリジェンス等の諸経費、ファンドの募集コストなどを差し引くと、ある程度の管理体制を有するファンドであれば10%という利回りを提供するのは難しいのではないかと思います。もちろんプロモーションとして事業者側でそれらのコストを負担している場合もあるとは思いますが、基本的にはコストを差し引いても投資家に提供している利回り以上の利益が出る案件に投資しているからこそ、投資家に還元ができます。10%を超える案件というのはすべてがリスクが高い案件というわけではないと思いますが、相応のリスクが伴っているかもしれない、きちんと調査を行っていないかもしれない、きちんと保全のための措置を確保していないかもしれない、という観点で見ることは重要なのではないかと思います。あくまでも一般的な意見ですが、高利回りのファンドを提供している企業は、本来的なリスク調査が出来ていない、企業としてのコンプライアンス体制やガバナンス体制等に費用をかけていない可能性が高いのではと思ってしまいますので、その点で事業者として長期的に安定的なサービスを提供していくことは難しいのではないかと考えます。

もちろん、高利回り案件を目指さないクラウドバンクのポジショントークとも言えるのですが、個人的には共感する部分もけっこうあります。(それゆえクラウドバンクをメインの事業者の一つとしているのですが)

私のスタンスは、特段才能も運もあるわけではないので、前回と前々回のブログで書いたように、基本は安全性重視ですが、マネオファミリーの6ヶ月以内の案件に限定して、リスクを覚悟の上、1件20万円以内で10%超過の高利回り案件に投資しています。

■怖いのは、案件リスクより事業者リスクではないか?


長期の10%超過の高利回り案件に投資していれば、10回に1回貸倒れがあっても、トータルでプラスになるので、思い切って投資すべしという考えの方もけっこういらっしゃると思うのですが、私が不安に思うのは、特定の事業者で貸倒れがいくつか発生し回収に難航すると、投資家間で事業者への信用不安が起こり、事業者リスクにまで影響が及ぶことへの懸念です。

特に、まだ信用・実績の乏しい新規事業者がやらかすと深刻な影響を及ぼすかもしれません。

また、クラウドクレジットの例を上げて恐縮なのですが(悪意はありません)、最悪のケースとして、

カメルーン案件の元本の大部分が毀損→投資家間で信用不安→資金の引き上げ→収支悪化→株主からの増資不可→純資産5千万円割れ→貸金業登録抹消→会社清算

となった場合に、匿名組合契約の性質上、他の健全な案件に投資している分(+デポジット分)についても、必ずしも元本の保証はありません。

あくまで、匿名組合契約を結んで、事業者に出資しているという位置付けであり、特定の案件に紐付けて貸付しているわけではないので、匿名組合員は、会社清算時の残余財産の分配を受けるに当たって、健全な案件に投資している分が優先的に分配されるわけではなく、事業者への出資額に応じて均等に分配されることになります。(もし、事実誤認がありましたら、コメントやメールフォームで指摘してください)

ですから、クラウドクレジット投資家で、カメルーン案件や欧州3カ国個人向け案件に投資していない人たちも、よく事業者の動きを注視する必要があります。

このあたりが、ソーシャルレンディングは、一にも二にも事業者選びが重要だといわれる所以だと感じます。

ソーシャルレンディングは、一見案件に投資しているように見えて、実際は、事業者に投資しているのも同然ですよね。

高利回り案件に手をだすときには、貸倒れが起こって回収に難航したときに、どう事業者リスクに影響するかよく考えておいた方がいいと思います。


■今後の動向は?


私の読みでは、そろそろ10%超過の高利回り案件で貸倒れや延滞がいくつか出てきてもおかしくないと思っています。(昨年12月に利回り10%のSBISLカンボジア技能実習生支援ローンファンドで延滞が発生しているようですね



10%超過の高利回り案件のほとんどが、貸金業法上の上限金利15%で借りているはずなので、そのような借り手を相手にして100戦100勝するのは、神業に近いですよね。

ただ、貸倒れが起きても、きちっと回収できれば、決して事業者の評判は下がらないと思います。

実際のところ、満額回収したmaneoと苦戦しているクラウドクレジットでは、その後の貸付残高の伸びでは大きく差がついています。

貸金業というのは、貸付して終わりでなく、貸倒れ時の回収力も考慮してトータルで評価されるべきものですから、各事業者の実力を今後もよく見ていきたいと思います。

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