①親会社がジャスダック上場のLCホールディングス
②業界最大手maneoファミリーの一員
③社長が自らブログを使って全営業日に情報発信
④社長は金融・不動産のスペシャリスト
⑤1年以内の短期案件を中心に常時品揃え豊富
⑥広告費ゼロにもかかわらず、投資案件をほぼ完売するだけの資金調達力(直近のローン残高(成立ローン総額ではない)は約75億円)
■デメリット
①出金手数料が高い
②LCホールディングスグループは不動産業に特化しているが、不動産不況時にどこまで耐えうるか
③LCホールディングスグループの純資産は50億円程度で、上場企業としては、財務的安定性にはやや乏しい
■まとめと感想(現在私は180万円投資しています)
LCレンディングの特筆すべき点は、親会社が上場企業という点だけではなく、代表が自らブログを使って全営業日に情報発信しているところではないでしょうか。
ソーシャルレンディング事業者は、一般の人から見れば、無名な事業者がほとんどなので、「顔が見える会社・社長」というのは非常にポイントが高いと思います。
どんな社長・代表かよくわからずに、大金を預けるのは、投資家にとって普通相当心理的抵抗がありますよね。
ましてや、みんなのクレジットがオフィシャルブログも使わない典型的な顔の見えない会社・社長だったですし。アフィリエイトには熱心だったから、名前はよく出てきたけど。
他の事業者を見てみると、オフィシャルブログがないところやあってもほとんど更新がないところもあります。
資金調達力で劣っている事業者(特に社長)は、少しはLCレンディングの山中社長を見習ってほしいですね。
LCレンディングの山中社長のブログは、LCレンディングに投資していない人にとっても読む価値があると思います。
■融資型クラウドファンディング「LCレンディング」代表取締役社長のブログの内容
社長ブログの中で気になった部分を抜粋した上で、私見をコメントします。
(参照:http://blog.livedoor.jp/lclending/)
引用
早稲田大学政治経済学部卒業後、住友信託銀行(現 三井住友信託銀行)、 プロミス株式会社(現 SMBCコンシューマーファイナンス株式会社)、 UBI株式会社、UBIfinance株式会社等に勤務。 この間、事業法人向け融資業務、不動産投資ファンド業務、不動産開発・ 仲介・管理業務、M&A・事業承継アドバイザリー業務、コンシューマーファイナンス業務、 ファクタリング業務等、金融・不動産業務全般に携わり、 2014年12月より株式会社LCレンディング 代表取締役に就任。
メガバンク→消費者金融→maneoグループ会社を経て、ソーシャルレンディング事業者社長とは、申し分ない経歴ですね。まさに不動産・金融のプロですね。ソーシャルレンディング事業者は、どこも小規模ですから、社長の存在感が大きいと思います。社長が良ければ伸びるでしょうし、社長が悪ければ、某事業者のように無法地帯となりますし。
引用
ここまで、社長が断言してくれれば、我々投資家も安心できますよね。そもそも我々の案件も、例えば某国からミサイルが飛んできて担保不動産に命中してしまったりしたら、当該案件に投資している投資家の皆様にご迷惑をおかけする可能性が非常に高いです。
また、担保不動産のテナントが抜けて賃料収入が入ってこなくなれば同じくご迷惑をおかけすることになるかもしれません(ただ、基本的にはテナントからは12ヶ月分程度の保証金を預かっており、その間に次のテナントを探すことは得意としているので、スムーズにテナントチェンジができる可能性が高いですけれど)。
このように、個別の案件に内在するリスクがあることは避けようのないことです。
個別案件ごとのリスクについてまで「大丈夫ですよ」とは絶対に言えません。
ところが「みんなのクレジット」は、そのような個別のリスク以前の問題で、そもそも偽りの融資先に融資するとして募集していたようです。
そのような点については「LCレンディングは大丈夫です」と自信を持って断言できます。
ブログに記載するということは、何かあった時にはエビデンスとして取り上げられるわけですから、リスクを承知の上での勇気ある発言だと思います。
おっしゃる通りだと思います。社長のジレンマがよく伝わってきます。引用
我々は上場企業の子会社ですし(=一方で可能な限りの情報開示を求められている)、1年以上1営業日も休まずこのブログを書き続けていますし(=公開情報をもとに融資対象物件について最大限の情報を開示している)「匿名性」のルールの枠内でもっともその問題点を乗り越えている事業者だという自負はあります。
しかしながらそうした努力には限界があります。
社長ブログこそが最強の営業ツールですね。広告宣伝費相当を原資として、投資家への利回りに還元していけば、同業他社より有利なポジションを保てると思います。引用
LCレンディングでは基本的に広告宣伝費に一円もかけていません。
アフィリエイトなどのインターネット広告を行っている同業他社に比べると、登録ユーザー数の増加ペースは遅いはずです。
しかしながら、運用期間満了で償還された資金の再投資の割合などの「顧客定着率」的な数値は、同業他社よりも高いような気がしています(あくまで主観ですが)。
ついでに、maneo瀧本社長のブログ(LCレンディング関連部分)を引用します。
LCホールディングス内のLCレンディングの位置づけを考えてみると、とても収益の柱とは考えられません。ソーシャルレンディングは基本的には薄利多売ですから(営業者報酬は3%前後と仮定して、年平均50億円のローン残高で1.5億円の売上高です。ここから人件費・システム費用等の固定費を差し引くとそんなに儲けは出ないでしょう。本業の不動産転売益と比べれば収益性では雲泥の差ですね。)引用
LCレンディングは、2年足らずで50億円を集めました。
親会社である上場企業、LCホールディングスさんの純資産(株主資本)は50億円です。
この効果をどう見るか?
LCホールディングスの本荘社長は、先日の私のインタビューの中で、
「キャピタルゲインは株式で、インカムゲインはLCレンディングの匿名組合出資で(得てほしい)。」と発言されました。上場して、純資産が50億円になるまで、何年かかったかは聞き忘れてしまいましたが、2年で匿名組合出資50億円以上となったことは確かです。
あなたはこれを、どう考えますか?私は、2年で50億円というのは、結構スゴイことだと思います。
それも、社債ではなく、匿名組合出資で、ですから。・社債はプロジェクトに失敗しようが、会社として全責任を負う。
・匿名組合出資は、プロジェクトに失敗のリスクは投資家が負っている。
企業の「資金調達面」だけを考えれば、
・匿名組合出資が都合がよく
・集めるスピードも速い
と言えるのではないでしょうか?最近、上場企業からのプラットフォーム導入に関するお問い合わせも増えてきました。
現在はmaneoなどが投資家に提供する利回りも(上場企業にとっては)高く、二の足を踏む上場企業が多いですが、
風向きが変わって、利回りが低くてもプラットフォーム営業者となる上場企業の「名前」で信用が高まり、資金調達ができるようになれば…。一気にプラットフォーム営業者になりたい上場企業が増えるかもしれません。
しかし、ソーシャルレンディング事業を、資金需要が旺盛な不動産業にとって、銀行融資や自己資金投入を補完するファイナンスのオプションとして位置づけると、よりグループ内における戦略性・重要性が明確になってくると思います。
また、値動きが激しい株式投資を好まない投資家を、ソーシャルレンディングに誘導する、あるいは、キャピタルゲインとインカムゲインの両方を用意することで、幅広に投資家を囲い込むとか、シナジー効果を狙うとかいろいろなビジネスモデルが考えられます。
私見では、今後上場企業が資金調達の多角化を図るための一手段として、ソーシャルレンディングを活用した金融子会社の設立が増加するというのは十分ありえるかなと感じています。
いずれにしろ、maneoやLCレンディングのブログを通じた積極的な情報発信には敬意を払っておりますので、今後も是非継続していただきたいです。
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