実際のところ、約90%は1年以内の案件です。
1年超過の長期案件は、事業者リスクの低い上場企業であり、期限前償還が多いOwnersbookと案件が特定できるプレリートファンドぐらいです。
SBISLは、部分的な期限前償還が多い不動産担保ローン(12ヶ月)が中心です。このファンドは、部分的な期限前償還が多いので、実質的な資金拘束は6ヶ月程度だと思います
理由は、ソーシャルレンディングは流動性がないため、いざという時に逃げ遅れる可能性が高いから。
例えば、maneo系について私と同様昨年6月から脱出を図っていた投資家もたくさんいると思うのですが、長期案件中心に保有している人は、逃げ切れず多額の被弾をしてしまった人もいらっしゃるのではないでしょうか?ひたすら無事に償還されるのを祈るしか手がない状態ですよね。
私は。クラウドリースもCFFもマイルールで6ヶ月以内の短期案件中心に絞っていたので、傷が少なくてすみました。
1年前には、現在のmaneo系の惨状や凋落を誰もが予想できなかったと思うのですが、ということは現在好調に見える事業者も1年後にどうなっているかはわかりません。それは、上場企業系であろうが、不動産投資型クラウドファンディングであろうが同様です。それぐらいSL業界の浮き沈みは激しいものだと思います。
また、景気変動サイクルを考えれば、東京オリンピック後にくるかはどうかはともかく、そろそろ景気が悪化してきても不思議ではありません。
その時、ソーシャルレンディングがどうなっているかは定かでありませんが、経営体力のない事業者からバタバタと倒れていく気がします。
さらに、ポンジ・スキームが起こりやすいのは長期案件中心の事業者です。みんクレしかりラッキーバンクしかり、最初のうちは、しっかりと分配し、投資家を安心させ長期案件で大金を集めた後で、「ドカン」とやるのが、ポンジ・スキームの「極意」です。
ですから、裏を返せば、詐欺的ファンドであっても、スタート時に短期案件に絞って投資し、再投資をストップしておけば、みんクレでもラッキーバンクでもしっかりと「勝ち逃げ」ができたわけです。高利回りにこだわり資金効率を上げるため、惰性で満期が来るたびに長期案件に再投資をし続けた人が、今大きなキズを負っていることになります。
ラッキーバンクもガイアファンディングも事業者の中では老舗の部類で、長期間遅延・デフォルトなしという実績(実際は飛ばしによる偽りの実績ですが)で投資家を安心させておいて、いきなり「ドカン」とやるところが恐ろしいところです。非上場企業の経営状態をタイムリーに把握することは困難なので、ついズルズルと再投資してしまうところを事業者にうまく突かれた感じですね。
こういった観点から、私は新規事業者については短期案件を中心に積極的に投資するつもりです。確かに実績がない不安はありますが、万一詐欺的ファンドであっても、しばらくはきちっと分配し、元本を償還しなければ、投資家の信頼を得て多額の資金を拘束するという「旨味」を享受できないので、営業当初の案件はリスクが少ないと読んでいます。IPOの勝率が高いのと似通っているかもしれません。
例えば、FANTASは4ヶ月~、CREAL ・Fundsは6ヶ月~なので、短期案件を中心に積極的に投資し、しばらく様子を見てみようと思います。大事なのは、「SLはほったらかしだから楽チン」と考えるのでなく、その間に再投資するべきか慎重に吟味し、危うさを感じたら早めに撤収することです。
私は、ソーシャルレンディングには中長期的に健全に発展してほしいという希望を持っている一方で、仮想通貨のように「オワコン」になる可能性もあると思っています。ですから、常に「逃げ道」を用意しながら、一定のリスクをとってリターンを狙っていくつもりです。
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Thoughts on ソーシャルレンディングはリスク管理上は短期案件中心で行くべきではないか?
says...
う~ん、どうでしょう。
ソーシャルレンディングから撤退する可能性があるというなら、短期の方がいいのは間違いないと思います。ただ、短期だからといって被弾が免れるかどうかは一致しないのではないかなと思っています。
今優秀と言われている事業者があったとして、それが短期だったとしても、匿名化によって検証はできません。その場合、被弾する可能性は短期長期に関係ないのではないかなと。
逃げようとしている事業者なら短期というより、最初から資金を投入しなければいいと思うだけに。
says... Re: タイトルなし
コメントありがとうございます。
長期間資金を拘束されることの怖さを、今maneo系の長期案件に多額の投資残高がある投資家は感じているのではないでしょうか?
実際今問題になっている事業者は、ガイアファンディングしかりGILしかり長期で高利回りのところばかりです。CFFやクラウドリースも資金集めのため短期間に区切って募集していますが、借り手は長期で借り入れしているはずです。
健全な借り手であれば、長期の場合は、普通金利負担を考えて銀行から借りるはずであり、長期かつ高金利でソーシャルレンディングで調達してくるところは、何らかの訳ありである可能性が高く要警戒だと思います。
says...
私は「信頼性の高い事業者×長期運用」を基本にしているため短期派の考え方はとても参考になります。たしかに長期になるほどソーシャルレンディングで借りるメリットは減りますね。
最近は短期の多いFANTASに注目しているため、利回り・リスク・運用期間(期間ロス)のバランスを再検討してみようと考えています。
says... Re: タイトルなし
カナメ先生、コメントありがとうありがとうございます。
多くの投資家は期間リスクに無頓着ですが、最近の一斉大量期失の事例をみていると、長期運用であるがゆえに逃げ遅れている人が大勢いると思います。
投資スタンスにより長短比率の考えは様々ですが、少なくとも素性の知れない零細企業で長期運用することは避けるべきだと思います。