そもそもコンプライアンス意識の高い経営者が、SLに参入しようとするでしょうか?
リテラシーの低い個人投資家から資金を調達するのだから、銀行並みに厳しい審査を受けずに済むからとか、いざとなれば倒産(清算)すればいいとか、特に非上場の会社はそんな意識で参入している事業者がけっこういるのではないでしょうか?
みんクレにしろラッキーバンクにしろGILにしろ、銀行から相手にされないレベルの事業者ですが、調達先がリテラシーの低い個人投資家だからこそ短期間で容易に巨額の資金を調達できたわけです。
素人投資家をカモにして儲けるというのは、SLの世界でも不動産投資・株式投資・仮想通貨投資などと同様に現に起きているということです。
他の事業者は真面目にやっているのかといえば、「知らぬが仏」かどうかだけのの違いかもしれません。
一言で簡単にコンプライアンス体制やガバナンス体制の向上といいますが、とてもコストや手間がかかるので、本気で取り組めば利回りの低下を招き、SL事業者にはなかなか受け入れられないのではないでしょうか?
コンプライアンス体制やガバナンス体制は素晴らしいけど、年利1~3%の案件が投資家から人気が出るでしょうか?
中身はどうせわからないから、とにかく高利回りがいいという投資家が相当いるのが現実ではないでしょうか?
高利回りとコンプライアンス体制やガバナンス体制の両立というのは、「無い物ねだり」ということに気付くべきだと思います。
清廉潔白な企業をSL事業者に求めるのは筋違いで、高利回りを実現するには、コンプライアンス体制に手を抜くとか、銀行が手を出せない際どい案件にリスクを承知で手をだすとか、相当無理しなければ困難なのではないでしょうか。
SLのリスクに不安を感じる方は、欲を出さずに個人向け国債や銀行預金で我慢するしかないと思います。
ババ抜きになっても連戦連勝できるだけの目利き力をつけるのが理想的ですが、事業者と情報の非対称性が相当程度あるSLの世界ではなかなか難しいですよね。
それでも勝負をしたいという人は、余裕資金の一部で、万一の時にも耐えられるような経営体力(=資金力)を持った上場企業を中心に投資するぐらいしか手がないのではないでしょうか?
不祥事や貸倒れ・遅延はどの事業者でも起こり得ることを覚悟せざるをえないですが、その際の対応力は事業者の経営体力によって大きく差が出るのではと予想しています。
要は、有事の際に資金が無事に回収されるか拘束されるかが明暗を分けるので、その点の分析力・リスク評価が重要になるはずです。
元本毀損率が、非上場のみんクレ・ラッキーバンク・GILと上場のSBI SL・TATERUでどれくらい差が出るのかよく注目したいと思います。
よくアフィブログで書かれていたSLは素人でもほったからしで年利7%以上稼げるといった煽り文句は幻想であることを認識した上で、慎重な投資行動を心がけていかなければならないと思います。
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Thoughts on SL事業者の不祥事や貸倒れ・延滞は今後も続くのでは?
says...
結局コスト問題ですよね。以前、セミナーで信託保全しないの?と聞いたことがありますが、コスト面から行わないとの回答を貰ったことがあります。法整備もなく義務の必要もありませんから尚更でしょうか。
適切な事業を行うSL事業者だけが残り、高利回り案件は淘汰された時、その利回りが低くても個人投資家がどこまで残るのか?と思うところも。5%未満の利回りをたったそれだけ?と思う人はSL界隈からいなくなってしまうかもしれませんね。
says... Re: タイトルなし
コメントありがとうございます。
中身はわからないので利回りで決める投資家が相当数いる以上、事業者側がコストをかけ利回りを下げてまでコンプライアンスやガバナンスに力をいれるか疑問です。
投資家がリテラシーを上げ、事業者から舐められないようになるまでは、今の状態が続く気がします。